南阿蘇原眼科
第19回くまもとアートポリス推進賞選奨/建築ジャーナル2022.8
▪️所在地/熊本県阿蘇郡阿蘇町
▪️主要用途/眼科+住宅
▪️構造・工法/木造一部RC造
▪️規模/地上2階 敷地面積 1149.19㎡ 建築面積 340.84㎡ 延べ床面積 476.25㎡
▪️第19回くまもとアートポリス推進賞選奨
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 空港から俵山トンネルを抜けてほどなく、木立に囲まれた木造の建物が見えてくる。熊本市で開業30年を迎えた眼科医院の分院として、ここ南阿蘇に昨年開院した診療所である。阿蘇五岳の雄大な景観を望むことができることから、周辺には近年、別荘や週末の観光客向けの洒落た店が増えてきているが、概ね景観を壊さない小規模な木質系の建物が多く、豊かな自然と合わせて好ましい環境が保たれている。
 設計においては、周辺の建物群との調和を考え、出来るだけ小さく、過度なデザインのない、自然素材を生かした素朴でシンプルなものとすることを目指した。1階に診療所、2階に院長住宅の構成(中央にコアを持った12mx12mの同形の正方形プラン)を前後左右にずらしながら積み上げている。それにより、道路に面する部分を低く押さえることができ、分節化された屋根はさらに規模を小さく見せている。建物周囲に点在させた木々は、地元に自生する樹種を選定したもので、より建物をこの地にとけ込ませている。