大津の舎
▪️竣工 2008年
▪️所在地/熊本県菊池郡大津町
▪️主要用途/専用住宅
▪️構造・工法/RC造+木造(増築)
▪️規模/地下1階地上2階 敷地面積542.35㎡ 建築面積 187.99㎡ 延べ床面積 251.17㎡
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大津町東部に建つ住宅の増築(二世帯化)である。敷地は東側道路部分が3mを超える擁壁を持つ変形の土地であることから、崖地条例の制限を考えた場合、建設可能な敷地の余地はごく限られたものとなってしまった。またこの道路では4.5mと狭い幅員にもかかわらず、近くの運送会社の主要道路となっていることから、頻繁に大型トラックが行き来しており、その中で子供たちが擁壁に身をこすり付けるように避難しながら通学している様子が見られた。さらにその振動によって既存の住宅基礎や擁壁にも亀裂等の影響もで始めるという実害も発生していた。
そこでわれわれは既存擁壁を一部削り込み、新規擁壁と一体となった地下空間を用意することでいくつかの要望(○崖地条例への適合○2台分の駐車スペース○独立性の強い玄関○防音性の高い音楽ルーム(奥さんがバイオリニスト)の確保)を解決することとした。同時にそれは、両側に高い擁壁で囲まれた逃げ場のない通学路に避難場所を確保し、心理的な圧迫感をなくす事を目指したものでもあった。(日中は車がなくオープンスペースとなる)新たな擁壁の上部には植栽のスペースが用意されており、少々まだ武骨いコンクリートの表情であるが、緑のスクリーンへと次第に変貌し、しだいいに柔らかな擁壁となってくれることと期待している。



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