がーでんはうすあわや
第22回くまもとアートポリス推進賞選奨/建築ジャーナル2022.8
▪️2015.9竣工
▪️用途_ギャラリー+住宅
▪️構造_鉄骨2階建て
▪️建築面積_81.10m2 床面積_145.25m2
▪️第22回くまもとアートポリス推進賞選奨

昭和30年代に建てられた住宅の再生である。永らく住まい手がなく放置され、荒れた姿は少々痛々しくもあった。別地に居を構える施主は、実家であるこの建物を自分の趣味を生かす場として再利用することを考えた。この地は松橋駅へ繋がる道沿い(商店街通り)にあり、かつて栄えた商店の連なる町であり、計画住宅も前面に店舗、後面に蔵をもった町屋の住宅部分として建設されたものである。現在は店舗、蔵ともすでなく、前庭、後ろ庭をもった住宅として、ガーデニングを趣味とする施主にとっては格好の配置となった。またもう一つの趣味である写真の展示ギャラリーとして1階空間を造り替え、2階は別宅としての最小限の機能を備え付けた。当時としては珍しく鉄骨造であったことから、1階は大きく間取りの変更が可能で、店との連絡通路であった部分をアプローチ空間として捉え直し、後ろ庭へ繋がる広い土間と一体の空間を形成させた。また、同じく店との繋がりで当時の中庭に面していた階段(半外)を後ろ庭側へ移動、庭を俯瞰で楽しめるよう解放的な外壁で覆った。趣味主体の活用が、結果として歴史ある地域の景観形成と、かつての賑わい復活の一助になることが施主の希望でもあり、今後の地域の変化に期待したい。