新南部の舎
別冊新しい住まいの設計 2007.2、2005.8/クリム2004.9
所在地/熊本市新南部
主要用途/専用住宅
構造・工法/木造
規模/地上2階
   敷地面積 -㎡
   建築面積 81.1㎡
   延べ床面積 87.6㎡
-


25年以上前に建てられたタウンハウスの改修である。当時では珍しく木造枠組み工法によって建設された外観は、年月を経た現在でも趣のある町並みを形成している。その一戸を新たに購入した若い夫婦のために、機能的にも古くなった内部空間を大きくリフォームすることとなった。
外装は前の住まい手が増築した部分などを除いて建設当時のままの形体を残している。その一方で、内部はすでに何度かの改修により外観で感じられた趣きはすでになく、プラン自体も使いづらいものとなっていたため、全面に手を入れることとなった。
1階は敷地南側に割り当てられた駐車場と北側玄関を一直線で結ぶ通り庭を設けることで新たな動線を作り、それに面して、トイレ・浴室・台所の水回りを配置、さらに南側に食堂と延長して活用できる小さな和室を設けた。通り庭と両サイドの諸室、収納とは中空のポリカーボネイト板のカーテン(文字通りカーテンレールを利用したローコストのスクリーン)で柔らかく仕切られており、生活の様々なシーンの対応して、仕切り型も変化することができる。さらに両側からもれる光が通り庭自体を柔らかな光の筒に仕立てている。
2階は寝室と居間を大きな本棚で仕切ったセミワンルーム形式で、建設当初からのトップライトを持つ中央の天井の高い空間に、新たにロフトを設けている。
1、2階ともに西側壁部分は全て、収納、階段、洗濯機置き場、テレビ置き場等のスペースに割り当てることで、空間に露出する物を極力抑えている。結果住まい手の要望するモダンな空間が実現できた。