水俣第2中学校体育館
所在地/水俣市
主要用途/体育館
構造・工法/鉄筋コンクリート+木造
規模/地上2階
   敷地面積 24994㎡
   建築面積 1414.1㎡
   延べ床面積 1413.2㎡
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 建物は、水俣市中心部に位置する市立の中学校の老朽化した体育館の建て替えとして計画された。設計当初より、「環境創造」を掲げる水俣市にふさわしい公共施設としての生まれ変わりが期待され、そのため、極力天然素材を利用し、まだその素材そのものが仕上げ材となるような表現を試みた。
 体育館の生命ともいえるアリーナの床材には、現在市のシンボルにちなっている"竹"フローリングを、また大空間をおおう小屋組には地元の杉材を使った構造用集成材を採用することとなった。特に杉集成材はこの計画に先立ち建設された市民のための多目的駅前広場「ふれあい舘」でも使用したものでもあり、竹フローリングに比べ、市側には比較的スムーズに受け入れられだ。
 構造形態は主体構造となるRC造に大断面集成材の屋根がかかる形のなっているが、下部構造RC最上部に幅2m以上のスラブを屋根形状に合わせドーナツ状に設けることで剛床化し、異種構造の一体化を計っている。また小屋組建て方の際に、スパン、条件の異なる各トラス棟分のレベルがどれだけ沈みむかが検討項目として上げられたが、比的柔らかい杉材ということもあり、計算での算出が難しく、経験値から最大30ミリ程度設計レベルより上げて地組することとした。さらにジャッキアップした状態でボルトの本締めを行ったところ、結果ほぽ設計に近いレベルでl安定し、当初予定の屋根勾配を確保することができた。