第二明星学園
▪️竣工 2019.3 (IZ工房と共同)
▪️用途 障がい者支援施設
▪️構造 鉄筋コンクリート 3階建て
▪️規模 延べ床面積 2210m2 建築面積 1152m2
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建替経緯
2016年4月に発生の熊本震災は、熊本の大地と人々に大きな傷跡を残した。2回にわたる震度6前後の地震は、前身の第二明星学園の本館(コンクリート造2階建て1214m2)を改修不可能な状態にまで被害を広げた。

計画要望
2016年の6月に基本設計に入る。その際の要望事項は
○同規模の地震でも壊れない建物
○安全に避難できる建物(今回の震災時には、人力で上階から利用者を避難させた経緯があった)
○利用者の見守り(事故防止)

計画概要
○古墳を伴った唯一(?)の福祉施設。
 この地の大きな特徴は敷地中央に町管理の史跡である古墳が存在することで、敷地所有区分は別であるが、周辺の施設群の中心に唐突に置かれたような状態であった。あまり手入れはされておらず、文化的史跡というよりも、旧館ではどちらかと言えば日当たりや通風を阻害する障害物であり、今回の建替計画の中でも当初は不自由な配置計画の一番の要因として捉えられていた。しかし今回の震災において、混乱の中でもひとりの負傷者も出さずに避難できたのは、古墳が守ってくれたからかもしれないと・・・。論理的なものではないけれど、古墳をともなった施設は、日本でそうあるものではないのは事実であり、これから先も生活の環境の一部として積極的に取り込んでいくことは間違いではないと方向転換した。
旧館同様に多層階となる計画であることから、ELVに頼らずに安全に避難できる外部スロープを古墳の周りに配置した。またこのスロープは古墳を巡る回廊となり避難以外にも日常的に古墳を立体的に見学するルートとして利用できる。建物自体はほぼ旧館と同じ位置に配置し(限られた敷地では選択肢は少なかった)古墳の回廊と繋げた